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(第2回)中小企業診断士の足の下にあるのは、米粒か?黄金か?

若手講師からの質問

早稲田出版の若手講師から第1回目の記事に掲載した「ぶれない目標があるか」について、「自分自身のベンチマークのため、実際に中小企業診断士の資格のみで、どのようなことをしてきたのかを教えてください」との質問がありました。

私も「たしかにそうだね」と思い、まずは私自身の合格当時の状況と、合格してから26年目の現在地を紹介することにします。

合格当時の状況

ビジネススキルとしては最低ランク?

私の合格当時の状況は、当時の合格者の中でも、ビジネススキルとしては、最低ランクであったと思います。そのため、2次試験合格後の実務補習で中小企業を診断するときにも、グループのみなさんの分析や提案についていくのがやっとでした。

●年齢
24歳(一浪して大学に入っているため、入社2年目)
●学習状況
政治学専攻のため、中小企業診断士の受験内容との関連性は、ほぼゼロ
高校・大学と運動ばかりやっていたので、勉強は体育会系御用達の寝てても確実に単位が取れるゼミや授業を渡り歩く
●所属
ちょうどバブル崩壊直後のため就職活動は苦労した(部活で運動していれば就職できるという幻想は崩壊!)
株式会社西友で家庭雑貨売場を担当していた(DIYや園芸・ペット用品を担当。当時取り扱いを開始したルミナスのスチールラックを年間1,000個以上組立てて販売していたため、今でも中小企業診断士の中ではスチールラックの組立ては一番上手いはず!)。

上記のように、中小企業診断士の知識以外のビジネススキルは、ゼロの状況から、中小企業診断士としてのキャリアアップがスタートしました。

26年目の現在地

中小企業診断士に合格して、25年が経過し、26年目となる現在の状況はこんな感じです。すべて中小企業診断士の資格のみで取り組んできました。

中小企業診断士業界の代表としてNHKのTV司会者を務める(NHKのシニアディレクターが11団体を訪れ、その団体のトップ講師を面接して判断)
日経MJ新聞の連載(全64回)、日経MJ新聞の通信講座の企画・作成
企業へのコンサルティング(大手上場企業が中心。月間70万円から1千万円超案件までを個人で担当。基本的に営業はしないスタンスで紹介がほとんど。ここ最近では、日本最大級の電気通信会社のグループ企業の事業ドメインの再構築コンサルティングを行う、香川講師・櫻野講師も同行)
企業研修(みなさんがよく知っている大手上場企業が中心、中小企業診断士講座の受講生と研修でお会いすることもしばしば。講師メインの時には年間200日以上担当、これはかなりへとへとです。最近は経営メインのため、お得意先か、時間に余力があるときのみ担当)
産業能率大学 中小企業診断士通信講座の企画・作成
各種月刊誌の連載(近代セールス連載約10年間の企画・執筆、現在も継続中。企業診断連載108回以上。流通システムネットワーク。商業界などなど、多すぎて忘れました)
M&Aの際にデューデリジェンスを自ら実施して、株式会社早稲田出版と株式会社TBCの2社を買収、株式会社早稲田出版と株式会社TBCの3億7,500万円以上の借金を完済
書籍の監修と著書は、現在450冊以上(受験参考書やビジネス書など)
中小企業診断士の法定研修講師として15年以上、中小企業診断士の登録者に向けて教鞭を執る
日本FP協会の継続教育講師として、CFP・AFP登録者に教鞭を執る
大学講師として教鞭を執る(流通科学大学、産業能率大学などなど、現在は全て後輩の講師にバトンタッチ)

中小企業診断士は食えない資格なのか

25年前の合格証書の授与式から実務補習までの流れ

私の合格当時は、今とは異なり、中小企業診断協会で東京地区で実務補習のための集まりがあり、実務補習の説明の後、実務補習のグループに分かれて、担当講師との実務補習の打ち合わせとなったことを覚えています。
当時の実務補習は15日間連続のみのため、休暇の取得が大変でした。
実務補習の修了後は、東京地区で約400名の修了者が集められて、修了証の授与式が行われました。

足の裏の米粒?

修了証の授与式では、一番年配の方(たぶん75歳ぐらいの方)が代表して、舞台上で修了証を受け取り、その後、当時のお偉いさんが修了者の前でスピーチを行いました。

ここで、プロのベテランコンサルタントの中小企業診断士が、どのような内容を話すのだろうかと期待していると。。。

中小企業診断士は足の裏の米粒、とらないと気持ち悪いし、とっても食えねえ。。。

 と、中小企業診断士は食えない資格の代名詞のようなスピーチでした。

さすがに合格したばかりで「これから中小企業診断士として頑張ろう!」と思っていた当時の私には、少し衝撃的なスピーチでした。

そして「なんでこの人は、自分が頑張って取得した資格のことを悪く言うのだろうか?
受験校で教えてくれた講師は、バリバリ働いていて資格をフル活用していたのに。。。」と疑問を持ちました。

中小企業診断士というフィールドの下には黄金が眠っている!

合格当時の衝撃的なスピーチから、25年間が経ち、私自身の中小企業診断士としての取り組みについて振り返ってみると、この資格について、次のような思いになりました。

漫画「グラゼニ」の主人公の「グラウンドには銭が埋まっている」というセリフを借りると、

中小企業診断士というフィールドの下には黄金が埋まっている!

と思うようになっています。

みなさんなら、その埋まっている黄金を、どのように掘り出しますか?

フィールドの下に埋まっている黄金の私自身の掘り出しかたついて、第1回目の「うまくいくか、いかないかの分岐点」を踏まえながら、実際に経験したことを紹介していきます。

中小企業診断士のキャリアアップのリアルについては、私だけではなく、早稲田出版の各講師の記事も合わせてマガジンで紹介していきます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。